仮想通貨やブロックチェーン関係を勉強していると、ERCトークンという言葉を耳にするかもしれません。
今回は、そんなERCトークンがどのようなものなのかについて解説していきます。
ERC20トークンとは?
ERCとは"Ethereum Request for Comments: Token Standard #20"の略称で、2015年11月に提案されたイーサリアムでトークンを発行するための規格のことです。
この規格によって最低限必要な機能や用語、注意事項などを基準化したことで、バラバラだったトークンを一括管理できるようになりました。
ERCトークン発行のメリット
では、ERCトークンを発行するメリットにはどのようなことがあるのでしょうか。
ICOで活躍できる
ERC20によって、これに準拠したトークンはまとめて取引所、ウォレットが扱いやすくなりました。
一つの取引所や一つのウォレットでたくさんのトークンを管理・運用できるようになったことに加え、ERC20に準拠しているとなればある程度の安全性が保証されるので、ICO参加者も利用しやすくなりました。
トークンの発行が行いやすい
ICOでトークンを作成する際、今までは送受金方法の設定や専用のウォレットを作るなど、一から全てを作るので開発者の負担が大きいものでした。
ERC20に準拠すればその規格に沿って作ればいいので、以前よりも楽に作れるようになりました。
送受信が簡単
トークンを転送するときのプログラムがERC20規格によって統一されると、コードも共有され送受金も簡単になるというメリットがあります。
ERC20トークン発行のデメリット
ERCトークンを発行するにあたって、デメリットも存在します。
誤送金でトークンを失うリスクがある
イーサリアムには、送金用がユーザーアドレスではなく、「コントラクトアドレス」になっており、ここで誤って送金してしまった場合他のアドレスにトークンが移動できなくなってしまい、操作不能になり実質トークンを失ってしまいます。
これまでに誤送金によって日本円換算で約3億円以上が失われています。
開発が難しい
簡単に開発できますが、それは専門家ベースでの話であり、ERC20は単純に「開発が難しい」という問題もあります。
イーサリアムベースの技術ですので開発に参加するのに高度な専門知識が必要となり、参入のハードルが高くなっています。
代表的なERC20トークン
Augur(オーガー)
Augur (オーガー) とは、イーサリアム上に構築された未来予測(賭け事など)のためのプラットフォームです。
スマートコントラクトを活用することで、胴元 (運営元) が存在しない非中央集権的な未来予測のためのプラットフォームを提供しています。
BNB
Binance Coin(以下「BNB) は、世界最大級の仮想通貨取引所、Binance(バイナンス)で発行されているトークンで、Binance内での取引手数料や新規ICOトークンの購入、または新たに上場させる通貨の人気投票にも使用することができます。
GNT
Golem(GNT)は参加者のコンピュータのリソース(処理能力)を共有するためのプラットフォームです。
参加者がそれぞれの所有するコンピュータをGolemのブロックチェーンにつなげることによって利用することができます。
個人が所有するコンピュータ1台ごとの性能は低くてもリソースを共有することによって処理能力を飛躍的に高めることができます。
まとめ
以上、ERCトークンについての解説でした。
このように、ERCトークンには様々な種類があります。
今後ブロックチェーンが発展していく上で、今よりももっと身近な存在となるでしょう。
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